誰も教えてくれなかった万年筆(3/3)

3.ご自分の筆圧にあった万年筆を選びましょう

では、万年筆のペン先は柔らかいものを選ぶのが良いのでしょうか?柔らかいペン先のほうが書き心地がいいのでしょうか?いいえ、そうとは限りません。ペン先は、ご自分の筆圧にあったものを選んでください。

pennib-image2014-05B筆圧をあまりかけずに書く方は、柔らかいペン先がよろしいかと思いますが、筆圧が強い方が柔らかいペン先をお使いになると、ペン先のポイント(切割り)が開きすぎてカスレの原因になったり、文字の返しに筆足をとられ、思うような文字を描くことができなかったりします。さらに、ペン先を傷めてしまう場合もあります。ですから、筆圧が強く、シャープペンシルなんかで書いているときによく芯を折ったりする方、細かな字を書かれる方、字を書くとすぐ手が痛くなったり疲れたりする方には、硬めのペン先をお薦めいたします。また欧米の輸入万年筆はもともとアルファベットを書くためにあります。ですから、漢字などの緻密な文字の多い日本語には、むしろ硬めのペン先が向くのかもしれません。そして、万年筆の「書き心地」が良いか悪いかは、使われる方の筆圧とペン先との相性なのです。


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ペン先の弾性(弾力性)とボディの重さの関係

最後にペン先の弾性とボディ(胴軸)の重さの関係について書き加えておきます。総じて、ペン先の柔らかい万年筆は、ボディが軽い樹脂でできていることが多く、その反対に、ペン先の硬い万年筆ほどボディが重い材質でできています。たとえば、金属の真鍮(しんちゅう)などを材料としています。なぜかと申しますと、この金属製ボディの重さの役割は、筆圧に代わって、ペン先に対し「加重」することなのです。筆圧の強い方でさえ、常に一定の筆圧をかけて書いているわけではなく、筆圧に強弱があります。その弱い筆圧の時に、硬いペン先の切割りが閉じたままでは、毛細管現象は起こらず、インクが紙面に塗布されない状況が起きます。つまりカスレが起きるわけです。このカスレを起こさないために、ペン先は、ボディの重さによって「加重」し、切割りが適度に開くことで、毛細管現象が起き、インクを紙面に運ぶことができるのです。

以下の表は、さまざまな万年筆を横軸で「ペン先の硬さ・柔らかさ」を相対的に比べ、縦軸では「ボディ(胴軸)の重さ」を比べるマップを作りました(2003年)。ご参考になれば幸いです。(最初のページに戻る⇒

1998年(初)、2003年(改定)、2013年(再改定)有限会社生活舎

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