誰も教えてくれなかった万年筆(1/3)

誰も教えてくれなかった万年筆

1.柔らかいペン先と硬いペン先

柔らかいペン先と硬いペン先万年筆について会話が交わされる際、よく「柔らかいペン先」とか「硬いペン先」といった表現が使われます。ペン先が柔らかいとか硬いとか、いったいどんな意味なのでしょうか。さらに、何故ペン先に柔らかいものと硬いものとがあるのでしょうか。ここでは、それについてお話します。

万年筆は、ボールペンや鉛筆と比べて、あまり筆圧をかけずに書くことができるように出来ています。ですから、万年筆は、他の筆記具に比べて速く文章を書け、長い時間、文章を書き続けても手が疲れにくいと言われています。筆圧は個人差があり、筆圧が強い人と弱い人がいます。また、同じ人の筆圧も常に一定ではありません。感情を込めて書く時、書き慣れている文を書く時、思考をめぐらしながら書く時では、同じ人の筆圧も変化します。万年筆は、そうした筆圧を、ペン先の持つ弾性(弾力性)によって吸収し緩衝することで、ペン先の持つ弾力性と筆圧との関係常に一定の筆圧を紙に伝えようとします。この機能を別のものに例えるなら、自動車のサスペンションがあります。走行する路面の凹凸によって生じる衝撃をサスペンションが吸収し、タイヤが常に路面に接地しようとすることで、動力を路面に伝えようとします。そのサスペンションの弾性が自動車に乗る人に与えているものが「乗り心地」であり、その「乗り心地」が良ければ、それは車に乗ることの「楽しさ」に繋がるわけです。.

万年筆にも同じことが言えます。ペン先の弾性(弾力性)が書く人に「書き心地」を与え、それが心地良ければ、それは「書く喜び」となります。そして弾性(弾力性)の違いによって生まれた「柔らかいペン先」と「硬いペン先」。その違いがそれぞれの万年筆の個性であり、その個性を「書き味」と呼びます。(次のページへ⇒

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